「塗装仕事は、下地処理が大事」
とは、誰でも一度は聞いたことがありますね。
外壁・屋根塗装前の水洗いや鉄部の錆落とし作業のことです。
鉄部や木部の塗装前にする下地処理のことをケレンと言います。
『クリーン(clean)』が語源で、「クリーン・ケリーン・ケレーン」と訛ったのでは?
と言われています。何か可笑しいですよね(笑)。
ケレンのやり方には、1種~4種までのグレードがあって、使う道具や機械もたくさん、以外に奥深い作業なんです。
(少し紹介すると、皮すき・サンドペーパー・ワイヤーブラシ・マジックロン・スクレーパー・ケレンハンマーなどの手動工具に、ディスクサンダーなどの各種機械工具があります)
実は、一番大変な作業でもありました…
ケレンは、塗装する前には必ずしなければならない、基本中の基本の仕事です。
痛んで浮いているペンキを剥がしたり、錆びてザラザラの部分をガリガリ・ゴシゴシこすっていきます。
錆の出ていない鉄板や、つるつるのプラスチックの上は、塗料の密着が良くなるように、サンドペーパーなどで細かいキズをつけていきます。
(目荒らしとも言います)
とにかく、地味で根気のいる大変な作業なんです。
職人見習い中は、来る日も来る日もガリガリ・ゴシゴシ、手首が痛くなって腱鞘炎になってしまうようなことも…。
辛い手元作業に耐え切れず、志しなかばで諦めてしまう若者も…(泣)そこで親方は言います。「職人仕事は気合と忍耐だ」
しかし、下積み時代に基本作業の重要性とコツをしっかり体得できなければ、本物の塗装職人にはなれません。
やはり、どんな仕事でも基本が大事だということですね。
塗料は、人の手が加わって初めて完成品。塗料の耐久性がどうのこうの、ということもありますが、きれいで長持させる一番の秘訣は、手間ひまを惜しまない職人さんの仕事がやっぱり決め手。
だから、私たち職人は、
いつも一生懸命。ただ、それだけです。